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見える化の基本~見える管理の実現のため~

見える化見える化
  1. 目で見る管理とは?
    1. 目で見る管理、見える化の目的
    2. 目で見る管理、見える化の用途
      1. 問題点の顕在化
      2. ムリ、ムダ、ムリの顕在化
      3. 管理の効率化
    3. 管理とは
      1. 管理の対象と目的:宅配ピザ屋
      2. PLAN(計画)の見える化
      3. DO(実行)の見える化
      4. CHECK (差異の監視)の見える化
      5. ACT(処置)の見える化
    4. 目で見る管理の適用範囲
  2. 見える化のツール
    1. おすすめ カッティングプロッター
    2. おすすめ ラベルプリンター
    3. おすすめ ラミネーター
    4. 工場管理と見える化
      1. チームワークの強化
      2. 5S(整理、整頓、清潔、清掃、躾)
      3. 情報管理(事務管理)
      4. 作業管理
      5. 設備管理
      6. 現品管理
      7. 安全管理
      8. 環境管理
      9. 工程管理
      10. 品質管理
      11. 原価管理
      12. 工場利益管理
  3. 見える化 事例から学ぶ
    1. 職場の現状把握
    2.  改善活動推進表
    3. 技能教育管理表
    4.  エリアの区分け
    5. 5S担当MAP
    6. 工具、計測器の定位置管理
    7. 書類の定位置管理
    8. 行き先表示板
    9. 事務用品の定位置管理
    10. マンガ、画像を取り入れた作業手順書
    11. 勤務管理板
    12. 点検表(チェックシート)
    13. エアー圧力計の管理
    14. ボルトの合いマーキング
  4. 配管識別表示
    1. 置き場所別区分、検査別区分
    2. 色テープ表示、現場表示
    3. 現品棚の定位置管理
    4.  出来高管理表示板
    5. 納品時間管理板
    6. あんどん方式
    7. 限度サンプル
    8. ロットサンプル台
    9. 測定器の使用手順
    10.  安全標識の表示
    11. 保護メガネ、安全帽子の定位置管理
    12. 非常停止ボタン表示
    13.  環境、省エネ活動掲示板
    14. ゴミの分別区分け説明表
    15. ゴミ箱の表示/定位置管理
    16. 部品単価一覧表
    17.  現物対比板
    18. 歩留まり表示
  5. SlideShare 無料ダウロード資料
    1. 見える化の基本

目で見る管理とは?

見える化、目で見る管理とは”職場の全員が目で見て職場の状態がひと目でわかるよう“にすることであり生産現場を十分知らないパート、季節工、海外労働者などの協力を得て生産をする上で大切なTOOLである。

 

目で見て職場の状態がわかるということは”情報の共有化“ができたことであり職場の誰でもが職場の異常、正常の判断ができ素早い対策、処理が可能ということである。

つまり設備投資をせずにヒューマンネットワークが構築され”良いものを、安く、納期どうりに、必要数”生産することができるということである。

 

高価な生産管理ソフト、品質管理ソフトやITネットワークを使用する以前に職場が目でわかる管理状態でありヒューマンネットワークが構築されてなければ高価な生産管理ソフト等はムダである。

数名の管理者、スタッフがいくら叱咤激励しても実際、現場で生産している作業者の協力がなければ良いものは造れない。

職場のモラルの向上と品質の向上のためには”職場の情報公開”をおこない自主的にひとつ、ひとつの仕事を完全に理解してもらう必要がある。

見える化の基本

 

目で見る管理、見える化の目的

目で見る管理の目的は”良いものを、安く、納期どうりに、必要数”生産することであり具体的には以下の項目が挙げられる。

 

①品質の向上

②原価の維持、改善

③納期の遵守、数量の確保、在庫の削減

④安全の確保

⑤職場の5S、モラルの向上

製造現場では、管理すべき対象は無限にある。これら工場に存在するすべての人、モノ、設備が正常に稼働していないと、品質不良、納期遅れ、原価高、事故の発生につながる。しかし、この無限にある管理対象を一つひとつ正常か異常かを調べているといくら時間があっても間に合わない。そこで登場するのが、「目で見る管理」である。異常か正常かが一目でわかる。たとえば次のような例である。

見える化 事例

画像出典先:『すぐに使えるトヨタ生産方式 導入・実践ノウハウ集』(著者:竹内鉦造)

 

目で見る管理、見える化の用途

問題点の顕在化

工程がいつもと違うと感じるのは現場の作業者である。

その感じ方は不良数の増加、五感で感じる品質のバラツキの変化であるであり全員が標準をマスターして作業しながらその場で異常や問題点を発見する能力があれば問題点を素早く検出でき市場への流出が阻止できる。

 

ゆえに上司は作業者にできる限りの情報を作業に与え作業者の検出力を高める教育が必要である。 工程は生き物であるから2、3日後に後工程で不良が発見されても、その時には工程は以前と異なる品質状態で生産されているの場合が多いためいかに素晴らしい統計ソフト、解析ソフト、精密計測器があってもその原因を追究し問題点を顕微化するは不可能である。

将来AIがさらに進化し、IoTの技術が進歩してもヒューマンネットワークの構築が重要であることはかわらない。

 

ムリ、ムダ、ムリの顕在化

理想の状態と比較して現状との差を目でみて管理することにより”ムリ、ムダ、ムラ”を早期に誰でも発見できることができ全員参加の”改善”が可能になる。

 

管理の効率化

社員間の教育レベルの差がなくなり、また社会の高度情報化に伴って社員間の情報レベルは均一化されている現在、管理はできるかぎり自主管理にするべきである。理想として管理しなくても良いものが生産できる状態にすることが望ましい。

 

それがスタッフ部門の廃止、効率化につながる。その為には全従業員が教育を受け、高い知識、モラルを持つ必要がある。つまり経営管理情報の活用を実際に生産に従事する人たちがおこなうことができれば最良である。

目で見る管理の目的

目で見る管理の用途

 

管理とは

管理とは、管理の対象と目的を決め、目的を達成するように、PLAN-DO-CHECK-ACTのサイクルを廻すことということができる。これを宅配ピザ屋を例にとると、以下のようになる。

管理の対象と目的:宅配ピザ屋

“熱くておいしいピザを食べたい”という顧客ニーズ(管理の対象)を満たす製品とサービスを提供する(目的)

①PLAN(計画)

製品企画をする、レシピを考える、調理・配達の時間目標を設定する。

②DO(実行)

材料を購入し、ピザを調理して届ける。

CHECK (監視)

客の味に対する反応を直接またはアンケートなどでチェックする。

④ACT(処置)

客の味に対する反応を見てレシピを改善する。

管理サイクル

管理サイクル

 

目で見る管理とは管理のサイクルPDCAを見える化すること。

PLAN(計画)の見える化

方針や改善計画、実施基準などを見える化すると、より意図が伝わりやすく、かつ、守られやすくなる。

計画の見える化

計画の見える化

 

DO(実行)の見える化

現在の作業状態、作業結果、現物の状態を見える化することで、現状が一目で見える化できる。

作業の見える化

作業の見える化

CHECK (差異の監視)の見える化

計画と実績の差異、ルールと実際の比較を見えるようにすると素早いアクションが可能になる。

確認の見える化

確認の見える化

ACT(処置)の見える化

CHECKの結果、何をすればよいかを見える化すると、遅滞なくアクションがとれる。

処置の見える化

処置の見える化

 

目で見る管理の適用範囲

目で見る管理は、モノの状態の正常・異常を一目でチェックできるようにする目的から広まってきた。しかし、現在では、モノのチェックだけにとどまらず、システムや手順、さらには概念まで、文章だけではなく、図表や写真その他の方法で、PLAN-DO-CHECK-ACTのすべての段階で、内容をよりわかりやすく見える化する手法として活用されている。物理的に実在せず、見えないものほど、見える化したときの価値は高まる。

・方針を見える化一携帯カード式、ポスター化、顔写真付き個人宣言。

・システムを見える化一体系図、構造図

・目標・実施計画を見える化一表形式、グラフ形式

・プロセスを見える化-プロセスチャート、表形式

・手順・基準を見える化-フローチャート、表形式、図・写真の活用

・用語を見える化一概念図、例図

 

見える化のツール

場所やモノにくっきりした文字を表示すると、見やすさが断然アップし、すでに使っているプリンターやラベル専用プリンターなど豊富なバリエーションがあり、価格も手頃である。

N0.用 途ツールメーカー
文字を切り抜いて貼り付けるカッティングプロッターGRAPHTEC、RolandDGなど
専用ラベルに文字を印字して貼り付けるラベルプリンターCASIO、KING JIM、BROTHER、MAXなど
ラペル用紙に文字・図形を印刷して貼り付けるインクジェットプリンターレーザープリンターCANON、EPSONなど
コピー用紙に印刷した文字を保護するラミネーターアーベル、フジプラなど

おすすめ カッティングプロッター

グラフテック シルエットカメオ3 silhouette cameo3

Amazon’s Choice商品

アマゾン楽天

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(純正オプション3点付)グラフテック silhouette CAMEO3 シルエ…
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おすすめ ラベルプリンター

キングジム ラベルライター テプラPRO SR550

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キングジム ラベルライター テプラPRO SR550
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おすすめ ラミネーター

サンワダイレクト ラミネーター 400-LM003

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又、デジカメやビデオを使うと、手順書や注意書きが簡単に作成でき、断然わかりやすくなる。また、パソコンに付属のソフトを使えば、説明文の挿入や写真の加工が容易にできる。

360度のパノラマ作成ソフトを使えば、景色全体を見渡した写真が合成できる。会社の製造現場や屋外の廃棄物保管など、重要な現場のパノラマ写真を整備しておくと、パソコン上で目で見る管理の企画をしたり、また、改善前・改善後の比較が容易にできるようになる。

デジカメ写真とビデオの目で見る管理への主な用途は、以下のとおり。

①作業手順書の加工部位や作業手順を写真やビデオで挿入

②改善前・改善後の比較

③品質監査、環境監査の証拠写真

④社員の品質宣言、環境宣言などへの顔写真の挿入

⑤白板に書いた会議の議事録の保存

⑥書類などをコピーする代わりにデジカメで撮す

見える化 ツール

 

 

工場管理と見える化

チームワークの強化

各職場がチームワークのない、やる気のない職場では幾ら管理を充実しても成果は期待できない。”目で見える管理”を行いことにより情報の共有化を図り、全従業員の工場運営への参加意識高めることが重要である。

 

5S(整理、整頓、清潔、清掃、躾)

“目で見える管理”を行いことにより5Sが実践され綺麗な工場、作業しやすい職場にすることが必要である。

 

情報管理(事務管理)

“目で見える管理”を行いことにより見たい図面、仕様書、資料が即座に使用できる状態にすることは情報の共有化をする上で非常に重要なことであり、コンピューター、ITを導入する以前に実践されていなければならない。

 

作業管理

“目で見える管理”を行いことにより作業者の出勤状況、作業内容、点検確認、および作業者の技能教育が一目でわかることが監督者および作業者に必要である

 

設備管理

“目で見える管理”を行いことにより設備管理を作業者自らが自主保全することが可能となり保全の効率化につながり又早期の発見、予防ができる。

近年ではTPM(Total Productive Maintenance:全員参加の生産保全)を活用した”目で見えるTPM”が大きな成果を上げている

 

現品管理

“目で見える管理”を行うことにより何が、いくつ、どこにあるかが一目でわかるようにすることが重要であり在庫なしのトヨタ生産方式(JIT)や、バーコード、ネットワークを導入する前に取り組むべき生産管理の「基本」である

 

安全管理

“目で見える管理”を行うことにより安全性の確保を行うことが生産する上で第一でありいくら良いものを作っても作業者が怪我、死亡することは絶対に起こしてはならない。

 

環境管理

“目で見える管理”を行うことにより省資源、環境破壊防止ができるように職場を改善し環境改善を行うことが重要である。

 

工程管理

“目で見える管理”を行うことにより納期、リードタイム、在庫量が一目で分かるようにし将来のPOP(Point of Production生産時点情報管理)導入に備える、また市販されている(生産目標、進捗管理板、作業表示板)を活用して工程管理を行う。目で見える管理が定着してからコンピュター化することが望ましい。

 

品質管理

“目で見える管理”を行うことにより測定、検査がミスが発生しないよう改善を行い品質の維持向上に勤めなければならない。

 

原価管理

“目で見える管理”を行うことにより材料費の価格、仕損金額の情報を公開し全従業員が自主管理、自主経営の考えで仕事ができるようにしモラール(やる気)の向上に努める。

 

工場利益管理

“目で見える管理”を行うことにより”会社の理念、経営状態が従業員全員が分かるようにし全員参加の物つくりをめざす。

 

目で見る管理 具体的事例一覧

 

見える化 事例から学ぶ

目で見る管理は誰にでもできる。目的意識と少しの工夫・アイデアがあれば簡単である。また、今では、いろんな目で見る管理の情報があふれているからその気になれば簡単にまねすることができる。取引先の工場、書籍、ビデオと豊富な事例がある。

下記の事例もカンバン方式で使用されている生産時期が一目で分かる

『信号かんばん』を用いた『見える管理』の事例である。

見える化 事例

見える化 事例

職場の現状把握

見える化 生産、品質、稼働、小停止

 

 改善活動推進表

見える化 改善活動推進表

 

技能教育管理表

見える化 技能教育管理表

 

 エリアの区分け

全工場カラーを統一にして保管場所の区分けをおこなう

見えル化 エリアの区分け

 

5S担当MAP

場所別の担当MAPを作成し責任を明確にする

5S担当MAP  見える化

 

工具、計測器の定位置管理

ドライバー、ハンマー置き場

工具、計測器の定位置管理 見える化

 

書類の定位置管理

書類の定位置管理 見える化

 

行き先表示板

行き先表示板 見えル化

事務用品の定位置管理

共通してしようする鋏、パンチャー、テープ置き場所を決めて定位置管理を行う

 事務用品の定位置管理 見える化

 

マンガ、画像を取り入れた作業手順書

見える化  マンガ、画像を取り入れた作業手順書

勤務管理板

見える化 勤務管理板

点検表(チェックシート)

見える化  点検表(チェックシート)

エアー圧力計の管理

正常範囲は青色、異常範囲は赤色

見える化 エアー圧力計の管理

 

ボルトの合いマーキング

設備を修理、点検するために分解する時は現状復帰ができるようにマーキング、けがき線等をすること。

見える化 ボルトの合いマーキング

 

配管識別表示

見える化  配管識別表示

置き場所別区分、検査別区分

見える化 置き場所別区分、検査別区分

色テープ表示、現場表示

部品混入防止の為に現物表示をする

見える化  色テープ表示、現場表示

 

現品棚の定位置管理

現品毎に区分けして機種、ラインごとに色別して現品棚の管理を行う

見える化 現品棚の定位置管理

 出来高管理表示板

見える化 出来高管理表示板

納品時間管理板

部品の納品時間を決めて納品が完了したらカードを裏返しにし納品、未納品の区別を明瞭にし一目で納品管理がわかるようにする。

 納品時間管理板 見える化

あんどん方式

設備の異常時をランプ、ブザー等で異常を知らせる

見える化  あんどん方式

限度サンプル

外観検査での判定基準が明確に分かるように限度サンプルを作成する

見える化 限度サンプル

ロットサンプル台

週別、月毎に製品サンプルを保管しておき疑義が生じた際に現物での比較ができるようにする

見える化  ロットサンプル台

 

測定器の使用手順

測定器の異本的な操作、測定方法をマンガ、画像を活用してマニュアルを作成する。

見える化  測定器の使用手順

 安全標識の表示

JIS Z 9103(安全標識)を使用して安全意識を高める

見える化 安全標識の表示

保護メガネ、安全帽子の定位置管理

必要なときに安全用保護メガネ、手袋等が使用できるように定位置管理を行う

見える化 保護メガネ、安全帽子の定位置管理

非常停止ボタン表示

設備の異常が発生した際、非常ボタンがすぐわかる場所に設置しておく

見える化 非常停止ボタン表示

 環境、省エネ活動掲示板

会社、職場の環境、省エネの目標、実績を表示し教育およびモラルの向上に取り組む。

見える化 環境、省エネ活動掲示板

 

ゴミの分別区分け説明表

ごみの区分けの方法を現物を掲示して説明

見える化 ゴミの分別区分け説明表

 

ゴミ箱の表示/定位置管理

見える化 ゴミ箱の表示/定位置管理

部品単価一覧表

見える化 部品単価一覧表

 現物対比板

見える化 現物対比板

歩留まり表示

見える化 歩留まり表示

 

SlideShare 無料ダウロード資料

見える化の基本

 

更に詳細な『見える管理の提案事例』『見える管理の実践』は下記の記事に掲載しています。

関連記事:目に見える管理 提案事例

関連記事:見える管理の実践

 

*工場の見える化については下記の文献に色々な活動事例等が更に詳細に記載されています。

 

参考文献:

目で見る管理 (実践 現場の管理と改善講座)    沢田 善次郎 (著)

図解入門ビジネス製造現場の見える化の基本と実践がよ~くわかる本 石川 秀人 (著)

図解入門ビジネス 製造マネジメントの見える化がよーくわかる本 Kindle版 石川 秀人 (著)

 

 

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