ライター、プログラマー、イラストレーターのクラウドソーシング
近年 ライティング、 プログラミング、 イラスト、 データ入力等の仕事をテレワークでクラウドソーシングする仕事が急増しています、大きく発展しているクラウドソーシングでは企業が仕事単位で在宅メーカーに業務を発注しています、ここではクラウドソーシングの現状、活用について解説します。
クラウドソーシングとは
クラウドソーシングは依頼主がインターネットを利用して不特定多数の人に対して、業務を発注したり、アイデアや問題解決策を募集したりすることを指します。
自営型テレワーカーを活用する手段として、クラウドソーシングがあります。クラウドソーシングとは不特定の人(Crowd=群衆)に業務委託(sourcing)するという意味の造語です。
クラウドソーシングは、人材を社内に固定的に抱えず「必要なときに必要なだけ活用したい」という企業にとって、人材調達の切り札になります。
クラウドソーシングの種類
クラウドソーシングの種類は発注別に分類すると下図のような3つの発注方法があります。
種類 | プロジェクト型 | コンペンション型 | マイクロタスク型 |
仕事の対象 | 物が決まっている、プロジェクト単位の仕事 | ある決まった成果物を提出する仕事 | による成果物を提出する仕事 |
仕事の例 | Web開発 Webサイト制作 | ロゴ作成 チラシ作成 | 簡単なデータ入力作業、データ収集 |
1件当たりの報酬 | 数千~数百万円超 | 数千~数十万円 | 数円~数百円 |
プロジェクト型は、ソフト開発やWebサイトの制作など、制作期間や成果物が決まっているプロジェクト単位の仕事に適しています。ワーカーの専門性が求められます。報酬はワーカーの提案内容や過去の実績・評価により、固定報や変動制(時給制)などが決定されます。
報酬単価は、1件当たり数千円程度から基幹システムの開発など1件当たり数百万円程度まで幅広く、ワーカーの能力に応じた仕事を継続的に続けることができるのが特徴です。
コンペディジョン型(convention 大会、会議の意味)は、ロゴの制作やチラシ作成など、成果物を得る仕事に適しています。報酬があらかじめ決まっているものが多く、1件当たり数千円から数十万円程度と、プロジェクト型より低めで設定されることが多いです。
プロジェクト型の仕事の受注者を見極めるためにコンペディジョン型を利用する企業もあります、例えば、Webサイトの1ページのみをコンペディジョン型で発注し、採用した成果物の制作者とは
プロジェクト型の契約を結ぶなど発注方法を組み合わせた活用方法です。
このような組合わせを利用すると、企業は安定した品質を確保でき、ワーカーはコンペディジョンで評価された適正な報酬とプロジェクト型での安定した仕事ができるようになります。
マイクロタスク型はでデータ入力など、’非常に簡単な作業による成果物を提出する仕事に適しています。報酬は1件当たり数円から数百円と、プロジェクト型やコンペディジョン型と比べ極端に低くなります。
企業にとっては大量データの処理や商品の評価などの市場調査や全国の写真データの収集、アイデアの募集などで「ワーカー=消費者」の声を手軽に集めたりできるのが特徴です。
クラウドソーシングは、クラウドソーシング事業者がワーカーと企業のニーズをマッチングするというビジネスモデルですが、クラウドソーシング事業者が仲介する価値は、企業の信用と個人の信用とを、それぞれに与えることです。
クラウドソーシングでは、発注段階で発注者が仮払金をクラウドソーシング事業者に預託するので、ワーカーは代金を確実に回収できます。納品、検収が終了すると、クラウドソーシング事業者からワーカーに報酬が支払われます。ワーカーは発注する会社ではなく、業務の内容によって安心して仕事を選ぶことができるようになります。
又、発注企業は、ワーカーの過去の評価の蓄積や実績のサンプルを見て発注するかどうかを判断できます。
クラウドソーシングの種類を受注側の仕事内容別に分類したのが下記の図になり、ライター、プログラマー、イラストレーター等色々な仕事がテレワークでのクラウドソーシングが可能になります。
クラウドソーシング会社 おすすめ 3選
又、仲介者である、クラウドソーシング会社にはクラウドワークス、シュフティ、ココナラ、Craudia、Bizseek、shinobiライティング、Sagoooワークス、Job-Hub(ジョブハブ)等色々あり、
サービス別に分類した図が下記です、ライター、プログラマー、イラストレーター等 業務内容別に対応した色々な会社があります。
ランサーズ
日本におけるクラウドソーシングサイトの老舗とともに、依頼実績が44万件を超える国内でトップクラスの規模。
仕事内容が、「コンペ方式」と、「プロジェクト方式」の2つに分かれている。
ランサーズ
クラウドワークス
日経新聞など各種メディアでもよく紹介されているベンチャー企業。
仕事内容は「コンペ方式」と「プロジェクト方式」があり、「プロジェクト方式」のなかには「時給制」と「固定報酬制」が採用されています。
報酬が20万円を超えるとシステム利用料が無料になることも魅力。
ココナラ
自分のスキル(知識・経験)を生かしたサービスを売買できる、いわば「サービス業のフリーマーケット」のようなサイト。
似顔絵やWeb制作、税理士や弁護士などの専門家相談など多くのカテゴリに対応しており、スキルがある方はもちろん、スキルとは言えなくても自分の得意なことがあれば、なんでもサービスにして気軽に出品ができます。
クラウドソーシング市場
クラウドソーシング市場は近年大きく成長しており、仕事依頼金ベースでの国内市場は2020年度にはおよそ2,950億円に達すると見込まれています。
クラウドソーシングの企業経営への活用
企業が開発から営業までのプロセスを全て内部に抱えて規模を拡大していく事業形態は、限界に来ています。企業存続のためには、外部リソースの効果的活用が必要です。不特定多数の人々の知恵や
技術を活用するクラウドソーシングは、生き残りのための切り札と言えるでしょう。
自営型テレワークガイドラインを遵守した上で、クラウドソーシングを活用することにより、企業業績の向上が大いに期待できます、企業にとってのクラウドソーシングのメリットは、コスト低減が期待できること、業務処理のスピードアップができること、アウトソーシング化により人材不足を補完できることです。
また、ワーカーの労務管理が不要で、企業内部と外部のアイデアの組合わせにより、革新的で新しい価値の創出も実現できます、 企業経営にとって、クラウドソーシングは、非常に効果の大きい発注手段です。
在宅ワーカーの現状
在宅ワーカーの人数
自宅利用型テレワークで自営型の場合、「在宅ワーク」と呼びます。厚生労働省では、「在宅ワーク」については、下記のように定義しています。
在宅ワークとは情報通信機器を活用して請負契約に基づき 契約に基づきサービスの提供等を行う在宅形態での就労をいう。
出典)厚生労働省「在宅ワークの適正な実施のためのガイドライン」2000年
具体的な業務としては、テープ起こし、データ入力、ライティン グ、ホームページの作成、設計、製図などが主体です。厚生労働省の委託調査では、在宅ワーカーの数は下図のように推計されています。
専業在宅ワーカー | 916,000名 |
副業在宅ワーカー | 348,000名 |
合計 | 1264000名 |
出典:三菱UFJ リサーチ&コンサルティング【在宅ワーカー人口推計表】2013年
副業を行う就業者の数
総務省の就業構造基本調査では、副業をしている就業者は減少傾向にあり、2012年時点で234万3,000人となる一方、副業を希望している人は増加傾向にあり、367万8,000人となっています。また、企業で副業を「認めていない」は85.3%、「推進していないが容認している」は14.7%となっています。
厚生労働省は、2018年1月に「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を公表するとともに、「モデル就業規則」を改正し、従来は副業を原則禁止としていましたが、事前に届け出を行うことを前提に「できる」と明記しました。
自営型テレワークガイドライン
厚生労働省は、2018年1月に「自営型テレワークの適正な実施のためのガイドライン」(を公表しました。これ は、働き方改革の「処遇改善」「制約克服」「キャリア構築」をめざした「柔軟な働き方がしやすい環境整備」の一環です。
自営型テレワークは、「クラウドソーシング」の急拡大、人手不足を受けた業務のアウトソーシング化により増えていますが、様々なトラブルも発生しています。
仕事内容の一方的な変更やそれに伴う過重労働、不当に低い報酬やその支払遅延、提案形式で仮納品した著作物の無断転用などです。
ガイドラインでは、弱者となりやすい自営型テレワーカーの保護のため、契約内容などを細かく取り決めています。法的な拘束力はありませんが、コンプラインス等の観点から遵守することが望まれます。
自営型テレワークとは
ガイドラインでは、自営型テレワークを次のように定義しています。
注文者から委託を受け、情報通信機器を活用して主として自宅又は自宅に準じた自ら選択した場所において、成果物の作成又は役務の提供を行う就労
ガイドラインでは、自営型テレワークの関係者については、下図のように定義しています。①は、自らが受注し、その全部又は一部の業務を自営型テレワーカーに再委託する事業者です。②は契約の成立のための間をとりもつ事業者です。③は基本的に発注者と受注者のマッチングをインターネット上で行う事業者です。
区分 | 定義 | ガイドラインでの変更ポイント |
①自営型テレワーカー | テレワークを行う者 | ・請負契約以外での形態(準委任契約等)も対象となることを明確化 ・自宅のほか、自宅に準じた自ら選択した場所での就業も認められることを明確化 |
②注文者 | 自営型テレワークの仕事を自営型テレワーカーに直接注文し、又はしようとする者 | |
③仲介事業者 | ①他社からの業務の委託を受け、当該業務に関する仕事を自営型テレワーカーに注文する行為を業として行う者 | 新たに定義を置き、仲介手数料や知的財産権の取扱いの明示など、仲介事業者に求められるルールを明確化 ①の仲介事業者が再発注する場合には、注文者としてもガイドラインが適用されることを明確化 |
②自営型テレワーカーと注文者との間で、自営型テレワークの仕事のあつせんを業として行う者 | ||
③インターネットを介して注文者と受注者が直接仕事の受発注を行うことができる、サービス(いわゆる「クラウドソーシング」)を業として運営している者 |
募集に関する明示事項
ガイドラインでは、改正前は規定のなかった募集に関する事項を追加しています。注文者又は仲介業者は、募集に際して、自営型テレワーカーに下図の事項を文書、電子メール又はWebサイト上等で明示することとされ、取得した提案等の取扱いも定められています。
区分 | 内容 |
募集内容の明示 | ①注文する仕事の内容 ②成果物の納期予定日(役務の提供である場合は、役務が提供される予定期日又は予定期間) ③報酬予定額、報酬の支払期日及び支払方法 ④注文する仕事に係る諸経費の取扱い ⑤提案や企画、作品等に係る知的財産権(著作権等)の取扱い ⑥上記募集内容に関する問合せ先 |
募集から契約迄に取得した提案等の取扱い | ①選考外の用途で応募者に無断で使用等しないこと ②知的財産権を契約時に譲渡等させる場合は、募集の際にその旨を明示すること。 |
契約条件の文書による明示
ガイドラインでは、契約時に下図の事項を文書(電子メールやWebサイトでも可能)で交付することとされています。なお、契約期間が一定期間継続し、受発注が繰り返される場合、各回の受発注に共通する事項を包括的な契約(通常「基本契約」)とし、各回で個別の事項をその都度の契約内容とし、それぞれ明示することも可能です。
文書の明示で最も重要なことは、委託業務の内容を可能な限り特定し、発注者と受注者の間で共有することです。これが一致していないと、あとで紛争の原因となる可能性があります。
区分 | 内容 |
明示する事項 | ①注文者の氏名又は名称、所在地及び連絡先 ②注文年月日 ③仕事の内容 ④報酬額、報酬の支払期日及び支払方法 ※ 報酬の支払期日は、成果物を受け取った日又は役務の提供を受けた日から起算して30日以内、 長くても60日以内 ⑤諸経費の取扱い ⑤納期(役務提供の場合は、役務提供期日又は期間) ※ 作業時間の上限の目安は、1日8時間」 ⑦成果物の納品先及び納品方法 ⑧成果物の内容について検査をする場合は、その検査を完了する期日(検収日) ⑤契約条件を変更する場合の取扱い ⑩成果物に瑕疵があった場合や納入が遅れた場合等の取扱い(補修が求められる場合の取扱い等) ⑥成果物に係る知的財産権の取扱い ⑩自営型テレワーカーが業務上知り得た個人情報及び注文者等に関する情報の取扱い |
保存期間 | 3年間 |
参考文献:
テレワーク導入・運用の教科書
テレワークで働き方が変わる! テレワーク白書2016
できるテレワーク入門 在宅勤務の基本が身に付く本
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