問題解決のための基本手順を徹底解説【図解】

問題解決基本手順工場改善
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問題解決基本手順 

問題解決の基本手順は、どんな分野でも応用できる「論理的に問題を把握し、解決策を見つける」ためのプロセスです。以下が一般的な基本手順です

  1. 問題の明確化(問題の特定)

    • 何が問題なのかをはっきりさせる。

    • 現状と理想のギャップを明確にする。

    • 「本当の問題(真因)」を見つけることが大事。

  2. 情報収集と現状分析

    • 関連する情報やデータを集める。

    • 問題の背景や原因を分析する(例:5Why分析、因果関係図など)。

  3. 原因の特定

    • 問題の「表面的な原因」ではなく、「根本的な原因(Root Cause)」を突き止める。

  4. 解決策の立案

    • 原因に対して有効な対策を複数考える。

    • 費用、実行可能性、効果などを比較検討。

  5. 解決策の実行

    • 最適な解決策を選び、実行に移す。

    • 誰がいつ何をするかを明確に。

  6. 効果の検証(評価)

    • 実行後に問題が解決されたかを確認する。

    • 必要であれば改善策を再検討。

  7. 再発防止策の策定

    • 同じ問題が再び起きないように対策を仕組み化。

  1. 問題認識(現状把握)
  2. 目標設定
  3. 原因分析
    1.  原因分析の目的
    2. 主な原因分析の手法
    3. 例:5Why分析の使い方(製品に不具合が発生した)
    4.  原因分析でありがちなミス
    5. ポイントは「構造的に、客観的に」分析すること!
    6. 原因分析の方法
    7. 原因要素の抽出
  4. 原因・影響度の把握
    1. 主な分析の方法・手法
  5. 対策の具体化
    1.  対策を具体化するときのコツ
  6. 例:悪い vs 良い対策表現
  7.  対策計画表
    1. 🗂 対策計画表とは?
    2.  対策計画表の目的
    3. 対策計画表の基本フォーマット(例)
    4.  活用のポイント
    5. 応用:ExcelやGoogleスプレッドシートで管理すると便利!
  8.  評価
    1.  評価とは?
    2. 評価の主な目的
    3. 評価の観点(よく使われる3つ)
    4. 評価の具体的な方法
    5. 評価例(出荷ミスの対策)
    6. ポイント
  9.  標準化
    1. 標準化とは?
    2. なぜ標準化が必要なの?
    3. 標準化の方法・具体例
    4. 標準化のポイント
    5. 例:出荷ミスが減ったケースの標準化
    6. 標準化 → PDCAサイクルの「C→A」へ
  10. 水平展開
    1. 水平展開の目的
    2. 水平展開の具体的なやり方
    3.  例:水平展開の具体シーン
    4.  水平展開とPDCAのつながり
  11. 問題解決終了後の整理、分析
    1.  問題解決終了後の「整理・分析」とは?
    2.  整理・分析の主な内容
    3. 整理・分析のフォーマット例
    4.  整理・分析をやるメリット
    5.  おすすめ:振り返りのフレームワーク
    6. スライドシェアー 無料ダウンロード資料

問題認識(現状把握)

「問題認識(現状把握)」とは、問題解決の最初のステップであり、「いま、何が起きているのか?」を正確に理解することです。ここがブレると、その後の分析や解決策も的外れになってしまうので、非常に重要なフェーズです。


現状の事実を集める

  • 客観的なデータや情報を集める(数値、報告書、現場の声など)。

  • 感情や主観ではなく、「何が起きているか」を明らかにする。

あるべき姿(理想)と比較する

  • 「本来どうあるべきか」「目標は何か」と現状を比べることで、ギャップ=問題が見えてくる。

問題かどうかを見極める

  • 単なる一時的な不具合なのか、構造的な問題なのかを判断する。

  • 問題が明確でなければ、「どこが不安定なのか」「何に困っているのか」から洗い出す。


よく使われる現状把握の方法

  • 5W1H(いつ、どこで、誰が、何を、なぜ、どうやって)

  • 定量データの分析(グラフ・表などで見える化)

  • ヒアリング・観察(現場の声や行動を直接確認)

  • フローチャート・業務プロセス図(流れのどこに問題があるか特定)

  • **KPT法(Keep / Problem / Try)**など


 

背景認識の目的:

    ①目標値および設定条件の理由

    ②真の目的、狙い。    問題とは「理想と

    ③整理、分析する方向付け(角度)が明確。

    ③整理、分析する上での制約が明確。

    ④問題解決の為の二律背反条件が明確化。

レベル(視点)を変えて問題認識:    業界

①立場(視点)を変えて問題点を認識:   会社

②立場(視点)を変えて制約を認識

③立場(視点)を変えてトレードオフを認識    自署部

④互いの立場に立って問題点を認識    自分     利益率

問題を立体化し認識:

売上高     キャッシュフォロー

    

目標設定

「目標設定」は、問題解決や成長・改善に向かって進むための“ゴールを明確にする”ステップです。

目標設定とは?

**目標設定(Goal Setting)**とは、
「自分たちが最終的にどうなりたいのか(達成したい姿)」を明確にすること。


目標設定の目的

  • 解決に向かう方向性を明らかにする

  • チームや個人が同じゴールに向かって動けるようにする

  • 進捗や成果を評価しやすくする

  • モチベーションの源になる


 良い目標設定のポイント:SMARTの法則

「いい目標」は以下の5つの要素を満たすとよいとされています。

項目内容
S(Specific)具体的である
M(Measurable)測定可能である(数字があると◎)
A(Achievable)達成可能である
R(Relevant)目的に合っている
T(Time-bound)期限が設定されている

🔸例(悪い例 → 良い例)
× 売上を伸ばす
→ 〇 来月末までに売上を10%増加させる


 問題解決における目標設定の役割

問題を見つけたら、それに対して
「どうなれば“解決”したと言えるのか?」=目標の姿を設定します。

たとえば:

  • 【問題】:製品の不良率が高い

  • 【目標】:不良率を現状の5%から3%以下に下げる(3ヶ月以内に)


バランス・スコアカード

目標設定と**バランス・スコアカード(BSC:Balanced Scorecard)**は、組織やチームの戦略を「具体的な行動・成果」に落とし込むときにとても相性が良いです。


 そもそもバランス・スコアカードとは?

バランス・スコアカード(BSC)は、企業や組織の戦略的な目標達成をバランスよく管理するフレームワークです。

🔹ポイントは、「財務指標だけに頼らず、4つの視点からバランスよく目標を設定・評価する」こと。


BSCの4つの視点と目標例
視点目的
財務の視点収益性やコストの改善売上10%アップ、利益率5%以上
顧客の視点顧客満足・市場での競争力顧客満足度90%以上、解約率の低下
業務プロセスの視点内部の効率・品質の向上生産リードタイム短縮、ミス件数削減
学習と成長の視点組織の能力向上社員教育実施率100%、人材定着率の向上

目標設定とBSCの関係
  • BSCを使うことで、戦略が「具体的な目標」として見える化される

  • 目標が4つの視点でバランスよく配置されることで、偏りなく全体最適ができる

  • 個人や部門レベルまで目標を分解(連動)できる → 戦略と日々の行動がリンク


例:カフェチェーンのBSC的目標設定
視点戦略目標SMARTな目標設定例
財務利益の最大化今期の営業利益を前年比+15%に
顧客リピート率向上月間リピート客率を50%以上に
業務注文処理の効率化平均提供時間を5分以内に短縮
学習店員スキルの向上接客研修の参加率100%達成

まとめ:目標設定+BSCのメリット
  • 戦略が実行可能なアクションに変わる

  • 組織全体で“同じ方向”に向かって動ける

  • 効果測定(評価)がしやすくなる


原因分析

「原因分析」は、問題解決プロセスの中でも超重要なステップです。なぜなら、「正しい原因」がわからないと、どんなに努力しても解決できないからです。

**原因分析(Root Cause Analysis)**とは、
「問題がなぜ起きているのか?」を深く掘り下げて、**根本的な原因(真因)**を見つけ出す作業のことです。


 原因分析の目的

  • 問題の表面的な症状ではなく、**本質的な原因(根っこ)**を突き止める

  • 的確な対策につなげる

  • 再発を防ぐ


主な原因分析の手法

手法概要特徴・使い方
5Why分析「なぜ?」を5回繰り返すシンプル・個人やチームで使いやすい
特性要因図(フィッシュボーン、因果関係図)原因を「人・モノ・方法・環境」などで分類して整理複雑な問題向け、チームで視覚的に整理できる
パレート分析問題の発生頻度を数値で可視化(80:20の法則)複数原因があるときに優先順位を決める
フローチャート分析プロセスの流れを図で表すどこで問題が起きているか見つけやすい

例:5Why分析の使い方(製品に不具合が発生した)

  1. なぜ 製品に不具合があったのか?
    → 組み立てミスがあったから

  2. なぜ 組み立てミスが起きたのか?
    → 作業マニュアルが守られていなかったから

  3. なぜ 守られていなかったのか?
    → マニュアルが分かりづらかったから

  4. なぜ 分かりづらかったのか?
    → 作業手順が最新に更新されていなかったから

  5. なぜ 更新されていなかったのか?
    → マニュアル管理の責任者がいなかったから

この場合の根本原因は「マニュアルの管理体制の欠如」


 原因分析でありがちなミス

  • 思い込みや決めつけで「犯人探し」になる

  • 表面的な原因で止まってしまう

  • データや事実を確認せずに進める


ポイントは「構造的に、客観的に」分析すること!

「フィッシュボーン図(特性要因図)」を使用すれば視覚的に判断できます。

下記が参考にあるサイトです。

わかりやすい 特性要因図の作り方と問題解決法の完全ガイド【図解】
特性要因図の書き方、作り方について下記の点をポイントに図解入れで解説しています。・特性要因図の作り方、書き方・特性要因図のテンプレート エクセル、パワーポイント・特性要因図 製造、品質、設備、営業、介護、看護問題・特性要因図 WEB オンラ...

 

 

 

原因分析の方法

思いつきで実施した対策では有効である対策を打つことができず。但し、現場で発生してる 問題の90%前後は以前、発生した問題と類似しており、高度な経験を持つ熟練多能工に場合は分析を省略して即、対策を採用して効果を確認したほうが合理的 である。

現実の現場は秒単位で品質状況が変化しており、原因分析に数日をかけている間に新たな 原因の問題の影響で分析結果が的を外れてしまう場合がある。

現場にて現物を確認 過去のトラブル事例


 

原因要素の抽出

「原因要素の抽出」は、原因分析の中核となる作業です。
問題の背後にある「さまざまな要素(=原因のかけら)」を見つけ出すステップです。


原因要素の抽出とは?

原因要素の抽出とは、
「なぜこの問題が起きたのか?」を考え、問題に関係する具体的な原因の要素を洗い出すことです。

これは表面的な「~が悪かった」だけではなく、構造的・複合的な原因を広く拾い上げることが大切です。


 原因要素の抽出の目的

  • 問題に影響しているすべての要素をもれなく出す

  • 根本原因(真因)につながるヒントを見つける

  • 効果的な対策を立てるためのベースをつくる


よく使われる手法

 ブレインストーミング
  • 関係者と自由に「思いつく原因」をどんどん出していく

  • 判断せずにまずは量を出す

フィッシュボーン図(特性要因図)
  • 原因を「人・モノ・方法・環境」などのカテゴリで分類

  • 整理された形で見える化できる

5W1Hを使って洗い出す
  • 問題について「いつ・どこで・誰が・何を・なぜ・どうやって」を問い直す


🔍 例:飲食店で「料理提供が遅い」という問題の場合

抽出される原因要素:

  • 注文ミスが多い(人)

  • キッチンの人手不足(人)

  • 調理工程が多い(方法)

  • 調理器具の配置が悪い(環境)

  • 注文システムが分かりづらい(方法)

  • 材料が切れていることがある(材料)

  • 混雑時の動線が悪い(環境)

👉 このように、表面的には「遅い」だけでも、背後に複数の要素が潜んでいます。


抽出のポイント

  • 「人・モノ・方法・環境・測定・材料」などで観点を変える

  • 「~だから遅れるのでは?」「~が足りないのでは?」と疑問を投げかける

  • 現場の事実・データに基づいて考える

 

 

原因・影響度の把握

「原因・影響度の把握」は、抽出した原因の中で“どれが重要か”を見極めるフェーズです。
たくさんの原因が出てきたときに、優先順位をつける判断基準として欠かせません。


問題の原因をいくつも抽出したあとに、それぞれの

  • 深刻度(影響がどれくらい大きいか)

  • 頻度(どれくらいよく起こるか)

  • 制御可能性(自分たちで対応できるか)

といった観点から、「本当に取り組むべき原因」を絞り込む作業です。


主な分析の方法・手法

 パレート図(Pareto Chart)

  • 原因別に発生件数や影響金額などを並べて、重要な少数(20%)を特定する

  • 例:全体の80%の問題は、20%の原因から発生している(80:20の法則)

マトリクス分析(影響度 × 発生頻度)

  • 横軸:発生頻度(低〜高)

  • 縦軸:影響度(小〜大)
    → 右上(頻度高 × 影響大)の項目から優先して対策する

評価スコア方式

  • 各要因に対して、「影響度・頻度・対処可能性」などにスコア(1〜5)をつけて合計点で優先順位づけ

出荷ミスの原因と影響度の評価

原因頻度(1〜5)影響度(1〜5)合計スコア
ラベル貼り間違い5510
梱包手順の確認不足347
商品の類似性が高すぎる437
検品時の作業ミス257
倉庫照明の暗さ325

スコアが高い要因(10点など)から優先対策へ!

対策の具体化

原因に対して、「どうやって解決するのか?」という現実的な行動案・改善案を明確にするステップです。
単なるアイデアではなく、誰が・いつ・何をするのかまで具体化することがポイント。


ステップ内容
① 対策案を洗い出す原因ごとに、可能な解決方法を複数考える(ブレストも有効)
② 実行可能性を評価実行しやすさ・効果・コストなどを評価
③ 優先順位をつける重要な対策から着手できるよう整理する
④ 具体化する(行動計画に落とす)「誰が・いつまでに・何を・どうやってやるか」を明記
⑤ 実行準備を整える必要なリソースや承認などを整える

対策具体化のテンプレート例

原因(特定済み)対策内容実行者期限評価方法
作業マニュアルが古いマニュアルの更新&再配布Aさん4月15日作業者理解度テスト
チェックリストが無いチェックリストを新規作成・運用Bさん4月10日ミスの件数比較
ラベル貼り間違いダブルチェック体制を導入Cさん4月20日ヒューマンエラー減
新人教育が不足しているOJTトレーニング計画を整備Dさん4月末評価シートで確認

 対策を具体化するときのコツ

  • 「やるべきこと」ではなく「やれること」にする

  • 抽象的な表現(例:「注意する」)は避ける
     → 「〇〇を使って確認する」「1日1回〇〇を記録する」など

  • できれば効果検証方法もセットで決めておくと◎


例:悪い vs 良い対策表現

✖ 抽象的な対策〇 具体的な対策
ミスを減らす毎日17時にダブルチェックを行う
教育を強化する週1回30分の新人OJTを実施する
注意を徹底する誤出荷報告が出たら即日ミーティング


 対策計画表

対策計画表は、原因分析のあとに立てた対策を「きちんと実行に移す」ための行動スケジュール+管理ツールです。


🗂 対策計画表とは?

対策計画表とは:

「いつ・誰が・何を・どのように」対策を実行するのかを、明確に記録する表

問題解決を実行レベルに落とし込み、チームで共有・進捗管理するのに役立ちます。


 対策計画表の目的

  • 対策を行動ベースで具体化する

  • 役割と期限を明確にして、実行力を高める

  • 実施後に**振り返り(効果検証)**ができるようにする


対策計画表の基本フォーマット(例)

No.原因対策内容担当者期限実行状況効果確認方法
1作業手順が不明確手順書の更新&再配布Aさん4月10日実施中作業精度チェック
2ミスの確認不足チェックリスト導入Bさん4月15日未着手ミス発生数の変化
3新人教育不足研修マニュアル作成と研修実施Cさん4月20日完了理解度テストの結果

 活用のポイント

  • 対策ごとに**「担当者」「期限」**を明確に(曖昧だと実行されない)

  • 状況欄や備考欄で進捗を可視化

  • 効果確認方法を入れておくと、振り返り・再評価がスムーズ


応用:ExcelやGoogleスプレッドシートで管理すると便利!

  • フィルター機能で進捗別に表示

  • カラー管理で優先度や完了状況を一目でわかるように


特徴内容
対策の「実行計画書」アイデア → 行動に変える
実行責任を明確にする担当・期限がカギ
チームで共有可能プロジェクト管理にも使える

 

 評価

問題解決のプロセスでの**「評価」**は、すべての対策が終わったあとに「ちゃんと効果が出たのか?」を確認する重要なステップです。


 評価とは?

**評価(Evaluation)**とは:

対策の結果として「問題がどれだけ改善されたか」を、データや基準を使って判断すること

言い換えれば、
「対策の効果はあったのか?」
「問題は再発していないか?」
を確認するプロセスです。


評価の主な目的

目的内容
✔ 効果測定対策によって、問題が改善されたかどうかを数値で確認
✔ 成功・失敗の振り返りどの対策が効いたのか、何が足りなかったのかを整理
✔ 再発防止につなげる改善が一時的で終わらないように、恒久対策へ

評価の観点(よく使われる3つ)

観点質問例
効果問題はどのくらい改善されたか?(数値・事実で)
効率無理なく実行できたか?時間やコストは?
継続性一時的な改善で終わっていないか?仕組みになっているか?

評価の具体的な方法

方法内容
KPIとの比較対策前と後で、目標値に対してどうだったかを比較(例:ミス件数、売上など)
アンケートやフィードバックユーザーや現場の声を聞いて変化を確認
グラフ・表での見える化数値の変化をビジュアルで確認すると分かりやすい
現場観察・ヒアリング実際に行動が変わっているかを直接確認する

評価例(出荷ミスの対策)

項目BeforeAfter評価結果
出荷ミス件数(月間)12件3件効果あり(75%減少)
作業者の満足度普通〜不満満足手順が分かりやすくなった
チェックリスト活用率なし90%活用対策が現場に浸透中

ポイント

  • 「なんとなく良くなった」ではなく、明確な事実・データで評価する

  • 評価をもとに、次の改善や標準化につなげる

 標準化

問題解決プロセスの「最後の仕上げ」としてとても大切なのが、**標準化(ひょうじゅんか)**です。


標準化とは?

**標準化(Standardization)**とは:

成功した改善・対策を再現できるようにルールや仕組みに落とし込むことです。

つまり、「うまくいったやり方を、いつでも誰でもできるようにする」こと。


なぜ標準化が必要なの?

理由内容
再発防止問題が“また起きる”のを防ぐため
作業の安定人によるバラつきを減らせる
 効率化考えなくても正しい手順で動ける
教育が楽になる新人にも教えやすくなる

標準化の方法・具体例

具体策内容
マニュアル作成正しい手順やルールを書面化、画像付きにするとなお良し
チェックリスト化やることを一覧にして確認しながら実行できるようにする
作業手順書の改訂古い手順やルールを最新の状態に更新する
社内ルール化共有会などで、全員に認知・徹底してもらう
ツールの整備システムやアプリでミスを防止する仕組みを入れる(例:入力ミス防止のチェック機能)

標準化のポイント

  • 属人化をなくす(「〇〇さんじゃないとできない」を防ぐ)

  • シンプルで分かりやすく(複雑すぎると守られない)

  • 現場と一緒につくる(現場が使いやすい形でないと意味がない)

  • 定期的に見直す(環境や人が変わったらルールも見直し)


例:出荷ミスが減ったケースの標準化

対策標準化の方法
チェックリスト導入チェックリストを業務マニュアルに追加、全員に配布
作業順の見直し新しい手順をイラスト付きで掲示板に貼る
教育制度の整備新人OJTカリキュラムに組み込む

標準化 → PDCAサイクルの「C→A」へ

  • C(Check)で効果を確認し

  • A(Act)で成功した内容を標準化する
    → これで次のサイクルの“土台”ができる!

水平展開

**水平展開(Horizontal Deployment)**とは:

ある部門やチームでうまくいった改善や成功事例を、
他の部門・他の業務・他の拠点にも広く適用していくことです。

つまり、

「良いやり方を他でもマネして活かす」=ノウハウの横展開


水平展開の目的

目的内容
 効果を最大化成功した改善を他でも活かすことで、全体の品質や効率がUP
 同じ失敗を防ぐ他部門が同じミスを繰り返さないようにする
 組織の学習力強化チームや部門の知見を組織全体の力に変える
 属人化の回避一部の人や部署に依存せず、組織で成功を共有できるようにする

水平展開の具体的なやり方

ステップ内容
① 成功事例を整理効果があった対策・方法を記録、まとめる
② 関係者へ共有他部門・他拠点と情報共有(例:会議・報告書・イントラ)
③ 適用可能性を確認他部署でも使えるかどうか、条件や環境の違いを確認
④ 適用・導入手順書やツールを流用し、他でも使える形にして導入
⑤ 効果をモニタリング展開後も効果をチェック&フォローする

 例:水平展開の具体シーン

成功例展開対象展開方法
A工場でのミス削減策他の製造ライン・工場同じチェックシートを導入し、教育も共有
営業部での業務効率化ツール他の支店の営業チームテンプレートを共有し、使い方マニュアルも配布
保育園での保護者対応マニュアル改善他の園や系列施設定例会議で共有、全施設で運用開始

 水平展開とPDCAのつながり

  • 対策の効果を確認し(Check)

  • 他でも活かす(Act)

  • それが次のP(Plan)につながる!


問題解決終了後の整理、分析

問題解決が一通り終わったあとにやるべきことが、**「整理と分析」**です。
これは、単に「やり切った」で終わらせず、**次に活かすための“振り返り”と“知見化”**をする重要なステップです。


 問題解決終了後の「整理・分析」とは?

問題解決が完了したら、それまでの活動を見直して:

  1. 実際に効果は出たのか?

  2. プロセスにムダや改善点はなかったか?

  3. 得られた教訓・成功のポイントは何か?

  4. 次に同じことが起きたとき、どうすればよいか?

こうしたことをまとめる作業が「整理・分析」です。


 整理・分析の主な内容

項目内容
✅ 問題・原因の明確化最初に設定した問題と、特定した根本原因を再確認
✅ 対策の効果分析対策がどのくらい成果を出したか(定量・定性)
✅ 成功・失敗の要因分析なぜうまくいったのか? どこが課題だったのか?
✅ 改善プロセスの見直しPDCAの各ステップに問題はなかったか?
✅ 標準化・水平展開の状況成果が継続できているか、他でも活用されているか

整理・分析のフォーマット例

項目記入内容の例
解決した問題出荷ミスの多発(月間12件→3件へ改善)
特定した原因マニュアル不備、確認体制なし、教育不足
実施した対策マニュアル更新、チェックリスト導入、OJT
対策の効果ミス件数75%削減、作業者の理解度向上
成功要因現場参加型の対策、具体的なルール化
課題・反省点一部メンバーの参加不足、チェックの甘さ
今後の展開標準化完了、他部署への水平展開予定

 整理・分析をやるメリット

  • 成果やノウハウを「組織の資産」にできる

  • 同じ問題が起きたとき、すぐに再対応できる

  • チームや後任への引き継ぎがスムーズ

  • 次の改善活動の精度が上がる

 おすすめ:振り返りのフレームワーク

  • KPT法(Keep・Problem・Try)

  • 振り返り5問法:
     ① 何が起きたか?
     ② なぜそうなったか?
     ③ 何がうまくいったか?
     ④ 何がうまくいかなかったか?

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参考文献:問題を整理し分析する技術 (株) 日本能率協会コンサルティング

 

 

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