実際のカゼイン(Kaizen)
カゼイン(Kaizen) 価値の公式~
【パンタグラフ磨耗の標準化】
電車のパンタグラフの架線との接触部の磨耗を少なくするため、
架線を斜めに張る。
単純化
1.仕事は複雑になればミスが多くなる。
2.現状とその仕事の本来の目的を考え、ムダがないか判断。
3.より良い手段、方法がないか検討。
不要な仕事を無くす
1.要・不要な仕事を見極める。
2.不要な仕事をKaizenしてなくす。
3.本来の必要な仕事に集中。
4.生産性、品質の向上が図れる。
改善の定石
~Kaizenのノウハウ~
Kaizenの定石を学び、現場に活かす。
『止める』
・ムダをやめる
・不要をやめる
・過剰を止める
『減らす』:部分的な停止・廃止⇒へらす
『かえる』
・視点、立場を変える。
・手順・方法を改える。
・素材・部品を代える。
・ピンチをチャンスに変える。
・原点・初心に返る。
2種類の問題
問題は2つしかない、『ナイ』と『ニクイ』である。
よって対策は2つしかない『○○る化』と『○○やすい化』
2つの対策
対策方法は2つしかない『○○る化』と『○○やすい化』である
具体化するには?
具体案:
透明にする。
向きを変える
位置を変える。
なぜ、なぜを繰り替えし、具体化するにはどうすればよいか即時、
実行し、習慣化をする。
視覚化
視覚化(見える化)
可視化(見せる化)
顕在化(ハッキリ化)
問題を見える、見やすくする事により改善を図る
大きくする。
透明にする。
明るくする。
視覚化:具体事例
大問題が発生しないよう視覚化し、小さい問題を早期に発見
1.表示を大きくする
2.透明にする
3.明るくする。
定置化、定例化、定型化
バラバラ、不揃い等の問題
調整が必要
調整が不要
定○化
『Kaizen実施』
『問題点』
バラバラ、不揃いだといちいち調整する余計な手間がかかる。
これを定置化、定例化、定型化等の定○化すれば調整は不要。
定○化具体事例
1.定型化:電話伝言メモ
あらかじめ定型化された様式を準備
必要な項目内容を記入しておけば、記入
漏れ、忘れがなくなる。
2.定置化:工具管理ボード
置く場所を決めて、探すムダをなくす。
共○化
重複、反復等の問題
余計な手間が必要
事前に要素、条件を「共通化」し重複している部分を「共有化」する。
モノゴトはその状況に応じて「多様化」した方が強化する。
但し、単なる「多様化」ではバラバラ、マチマチで互換性がなくなる。
基本部分は共通化を図り、個性を発揮させ相乗効果を図る
共○化具体事例
1.共有化:銃の口径&弾
あらかじめ銃の口径と弾のサイズ規格を決めておけば、互換が可能となる。
2.共通化:PC基本ソフトが共通化
機種、メーカーに依存しなく、データーが共有化できる。
一○化
組織肥大による共通、作業の同時発生
無駄な手間が必要
無駄な手間が不要
一○化
『Kaizen実施』
『問題点』
要素が複数になるとものごとは複雑になり混乱する。
たとえば組織が大きくなると異なる部署で同じようなことをしたり
同じようなDataを収集、蓄積するなど多大なムダが発生する。
それらを「一本化、一元化」すれば重複のムダを省くことが可能。
一○化具体事例
1.一覧化:チエックリスト
複数ある項目を一覧表にし、確認のムダ、漏れを防止。
2.一元化:
商品ラベルと、賞味期限やバーコードラベルを
別々に貼り付けていたのを一元化して印刷。
作業工程を低減。
カゼイン(Kaizen)能力の教育
1.作業者および管理者を含めての教育
2.Kaizenリーダーの育成および
Kaizenリーダーによる教育
3.他から学ぶ・・・外部講師、他工場見学
4.Kaizen資料およびKaizen事例集作成
(DVD化およびサーバーにおいて常時、独習ができるようにする)
子曰く、教えざる民を以て戦う、是を棄つと謂う 孔子
計画表作成・事例
関係者毎のKaizen教育計画を作成する
他から学ぶ
異職種、業種から発想のネタを学び自分のものとする。
その為には謙虚に素直に他から学ぶ姿勢がかかせない。
傲慢からは何も学べない。
常に問題意識を持ち続けることが必要である。
子曰く、我三人行えば必ず師を得。
其の者を択びてこれに従う。
其の善かざる者にしてこれを改む。孔子
教育プログラム
入社教育、定期教育、外部教育・Kaizen基礎講座・Kaizen基礎実践・Kaizen活用講座、専門講座
1)QC手法 2)計測器 3)設備保全 4)IE 5)省エネルギー 6)安全 7)PC・IT活用・外部講師教育
・他工場見学・発表会・参加
精神と技術を教育しモチベーションとスキルを上げる
評価&資格
参考事例
ライセンス制を導入、評価を公正化し全員のモチベーションを上げる
カイゼン活動のデメリットとは
カイゼン活動(改善活動)は、日本発の継続的改善を目指す取り組みとして、多くの企業で導入されています。多くのメリットがありますが、もちろんデメリットや課題も存在します。以下に主なデメリットを挙げます。
時間と労力がかかる
→ 日々の業務に加えて改善活動を行う必要があるため、現場の負担が増えることがあります。
効果が見えにくいことがある
→ 小さな改善を積み重ねる方式なので、短期的な成果が見えにくく、モチベーション維持が難しくなることも。
マンネリ化しやすい
→ 形式的な活動になってしまい、「やることが目的」になってしまうと、実質的な効果が薄れます。
現場に依存しすぎる
→ 現場任せになりすぎると、経営層や管理職のサポートが不足し、改善が定着しにくい状況が生まれます。
抵抗勢力が出やすい
→ 改善には変化が伴うため、従来のやり方を変えたくない人たちの反発がある場合もあります。
全体最適を見失うことがある
→ 各部署が個別に改善を行うと、組織全体の最適化ではなく、部分最適になってしまう危険があります。
必要なのは、「改善すること自体が目的」にならないようにすることと、現場と経営層の連携を強化することです。
「ムリなく、ムダなく、意味のあるカイゼン」を目指すのが理想ですね。
カイゼンの効果的な実行方法
カイゼンを効果的に実行する方法は、ただ単に「思いついたことを変える」ではなく、戦略的かつ継続的に改善することがポイントです。
以下に、カイゼンを成功させるためのステップと実行のコツをまとめました。
現状を正しく把握する(現場・現物・現実)
実際に現場に行き、現物を見て、リアルな現実を把握する。
感覚ではなく「事実とデータ」に基づいて分析する。
課題を特定する
無駄・ムラ・ムリ(3ム)を見つける。
「なぜこの問題が起きているのか?」を5回くらい掘り下げる(5Whys分析が有効)。
小さな改善からスタートする
一気に完璧を目指さず、「すぐできること」「低コストでできること」から。
例:道具の置き場所を変える、標準書を作る、など。
PDCAサイクルを回す
**Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Act(改善)**を繰り返す。
継続的な取り組みで効果が定着する。
チームで取り組む
改善案は現場の人が一番知っている。トップダウンではなくボトムアップで進める。
「アイデアを出し合える雰囲気づくり」が超重要!
成果を見える化する
グラフ、表、ホワイトボード、掲示板などで「やったこと・結果」を見える形で残す。
モチベーションアップ&他のメンバーへの波及効果も。
改善を習慣化・文化にする
表彰制度、改善提案制度などを取り入れ、継続的に取り組める仕組みにする。
具体的なカイゼンの例(製造業・オフィスでも共通)
Before(改善前) | After(改善後) | 効果 |
---|---|---|
必要な工具が毎回探す必要あり | 工具に名前・置き場所ラベルを貼る | 時間短縮・ミス削減 |
書類がバラバラに管理されている | ファイルルールを決めて統一 | 情報共有のスピードUP |
会議が長い | アジェンダと時間を事前に決める | 生産性UP・時短 |
カイゼンを支えるシステムとツール一覧
カイゼン活動を継続的かつ効果的に行うためには、システムやツールの支援があるとグッと効率が上がります。以下に、カイゼンを支える代表的なシステムやツールをまとめました。
改善管理システム(Kaizen System)
改善提案の受付、進捗管理、評価、報告までを一元管理できるシステム。
代表ツール:
カイゼンプラットフォーム(Kaizen Platform)
iGrafx
TQMソリューション
できること:
提案の投稿・承認フロー
ステータス管理
成果の見える化
レポート・分析機能
タスク・プロジェクト管理ツール
改善活動のタスク進行やPDCAをチームで管理できる。
代表ツール:
Trello(トレロ)
Asana(アサナ)
Notion(ノーション)
Backlog(バクログ)
できること:
改善案のToDo管理
期限・担当者の設定
進捗の共有
コメントやファイル添付も可能
ナレッジ・共有ツール
改善事例・成功体験を社内に共有して横展開するためのツール。
代表ツール:
Confluence(コンフルエンス)
Notion(ノーション)
Google ドライブ / スプレッドシート
できること:
改善事例の蓄積と検索
ドキュメント・マニュアル作成
チーム間の情報共有
見える化ツール(可視化)
改善の成果やKPIを「見える化」することで、現場の意識を高める。
代表ツール:
BIツール(Power BI、Tableau、Google Looker Studio)
ホワイトボード+カンバン(アナログでもOK)
できること:
グラフ・チャートでの可視化
リアルタイムの進捗表示
各部門の改善比較
業務分析・プロセスマイニングツール
業務フローを分析し、どこにムダ・ムラがあるかを把握する。
代表ツール:
Celonis(セロニス)
UiPath Process Mining
Bizrobo!
できること:
業務フローの可視化
ボトルネックの特定
改善ポイントのデータ抽出
カイゼンに役立つアナログツールも忘れずに!
5Sチェックシート(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)
改善提案箱(アイデアを紙で集める)
カンバン方式(進捗ボード)
ツール導入のポイント
現場の使いやすさを最優先にする(難しすぎると定着しない)
導入目的を明確にする(管理したい?共有したい?見える化したい?)
小さく導入し、効果を確認してから広げる
カイゼン活動の未来の展望
カイゼン活動はすでに多くの業界で定着していますが、今後はもっと進化する可能性が高いです。以下に、カイゼン活動の未来の展望をいくつかの視点からまとめました。
デジタルカイゼンの進化(DXとの融合)
IoTやセンサーによって、現場の状態(温度、稼働率、作業時間など)をリアルタイムに収集
AI・データ分析によって、「どこを改善すべきか」を自動で提案
人が気づけないようなパターンを可視化する「プロセスマイニング」の活用も進展
👉 今後は「勘と経験」よりも「データとロジック」による改善が主流になる可能性大。
AIと人の協働による改善提案
AIが大量の業務データを学習し、改善提案を自動生成
現場の人がその提案を評価し、実行に移すという「AI+人間」のハイブリッド型カイゼンへ
例:「この工程での待ち時間が長すぎます。〇〇のタイミングを変更してはどうですか?」とAIが提案。
カイゼンの対象が「人の働き方」へ広がる
これまでのモノやプロセス改善だけでなく、「働きやすさ」や「心理的安全性」を重視する改善が増える
働く人の満足度やウェルビーイングも、カイゼン対象に
👉 カイゼン=生産性だけじゃない。「働く人の幸せ」も含まれる未来。
全社・全員参加の文化として定着
一部の部署や一部の人だけがやるのではなく、「誰でも・いつでも改善できる文化」が企業全体に広がる
改善提案をSNS感覚で投稿・共有できるようなカジュアルなツールも登場中
⑤国境を越えたグローバルカイゼン
日本発のカイゼンが、グローバル企業で標準手法として広がり続けている
各国の文化に合わせてカスタマイズされた「ローカライズ版カイゼン」も増加
今後カイゼン活動で求められる力
必要な力 | 理由 |
---|---|
データリテラシー | 数値や可視化された情報を使って改善を考える時代 |
コミュニケーション力 | 多職種・多国籍チームでの連携が増える |
チャレンジ精神 | AIや新ツールと共に新しい手法を試す姿勢 |
ユーザー視点 | 「お客様目線」での改善もより重要に |
未来のカイゼンは、「デジタル×人間力」で進化します。
単なる業務改善から、「組織を強く・人を幸せにする仕組み」へと広がっていくんじゃないでしょうか。
slideshare ダウンロード資料(PDF)
パワーポイントで作成した資料です。